尾形光琳の燕子花図

2019.5.17 普連土ブログ
副校長
原田 美代子

初めて尾形光琳の燕子花図(おがたこうりんのかきつばたず)をみたのは、中学校の美術の教科書でした。
燕子花の躍動的な配置と印象的な花の青と葉の緑、余白の金地によって一双の屏風に閉じ込められた燕子花の群生の無限の広がり--私は衝撃を受けました。

そして、とうとう、昨日、本物を鑑賞するという夢が、南青山にある根津美術館で実現しました。

屏風は六曲に折り曲げられて展示されていました。

真正面から鑑賞する燕子花はリズミカルに描かれていて息が止まる美しさでした。

そして、折り曲げられている山の面(凸面)の横に立って花を見ても、不思議なことに、隣の山の面に描かれている花が、すぐ真横に連続して咲いているように見えます。

緻密に計算されて描かれているはずなのに、それを感じさせない。

深い感動に包まれました。

本物に触れるということは本当に素晴らしいです!

普連土では、都内にある学校という地の利を活かして、学年毎に、文楽、歌舞伎、能楽などの鑑賞に、歌舞伎座や国立能楽堂へでかけたり、国立西洋美術館、国立科学博物館を見学しています。鑑賞教室や校外見学だけでなく、いろいろな場面で生徒が「本物に触れる」機会を増やしていきたいと考えます(記2019/05/12)。


news2019051602 写真:根津美術館の庭園に咲くカキツバタ