教育理念・沿革

教育理念

 万人に「内なる光(神の種子) - 神からそれぞれにあたえられた素晴らしい可能性」が存在することを信じ、一人ひとりを大切に、全ての人を敬い、世の役に立つ女性を育てることを目標にしています。本校は創立当初から少人数教育を行っており、現在は各学年3学級で編成しています。家庭的な雰囲気の中で、個々の生徒に行き届いた指導を心がけており、また、ご家庭との連携を密にして協力しあいながら生徒の育成に取り組んでいます。
教育の様子

学園沿革

 普連土学園は、1887年(明治20年)、アメリカ・フィラデルフィアのキリスト教フレンド派(クエーカー)に属する婦人伝道会の人々によって女子教育を目的として創立されました。これは当時、アメリカに留学中だった新渡戸稲造と内村鑑三が助言したもので、以後130余年にわたってキリスト教による人格形成を教育基盤としています。なお、本学は日本においてフレンド主義に基づいて設立されている唯一の学校です。
 校名の「普連土」という漢字は、津田塾大学の創立者 津田梅子の父、津田仙によって「普(あまね)く世界の土地に連なる」ように、すなわち「この地上の普遍、有用の物事を学ぶ学校」であるようにという願いを込めて考案されました。
クエーカーについて
 「クエーカー」とは、17世紀にイギリスのジョージ・フォックスによって創始されたキリスト教フレンド派の別称です。クエーカーは歴史的にさまざまな平和活動や奉仕活動に従事してきました。1947年にはその活動の功績が認められ、アメリカ・フレンズ奉仕団とイギリス・フレンズ協議会がノーベル平和賞を受賞しています。
 クエーカーの特色は、誠実・平和・平等・簡素の精神にあります。誠実に仕事に取り組み、争いが起きないように努力し、さまざまな人の考え方を尊重し、浪費を慎み簡素な生活を送る・・・このような生き方を通して、自分も含めたすべての人間が例外なく素晴らしい存在であることを感得していきます。
George Fox
George Fox
(1624-1691)
新渡戸 稲造
新渡戸 稲造
(1862-1933)

建学の精神

 普連土学園(FRIENDS SCHOOL)は、キリスト教、特にクエーカーの精神に基づいて、若き女性がより高い人格の完成を目指して学ぶところです。17世紀半ば以来、クエーカーとも呼ばれる友会徒(FRIENDS)は、万人のうちに"神"、すなわち"真理の種子"が存在するという確信によって、神と人、人と人の関係を育ててきました。したがって教育の働きは、この各人に与えられた尊い真理の種子─賜─を育てることにあります。私達は、生徒が豊かな個性を伸ばしつつ、知恵においても、肉体においても健やかにたくましく成長し、神にも人にも真に愛され、世の役に立つ人となることを念願しています。
 この学校をお選びくださるご家庭は、「すべての人間に対する尊敬の念」、思想、言語、行動における「誠実さ」、および生活上の「簡素」という徳性がお嬢様方のうちに成長していくよう、またこれらの徳性が物質万能主義を遠ざけ、人生にとって永続的な価値のあるものに、時間と精力を捧げるための原動力となるものであることを体得できるよう、学校と共にご協力くださると信じています。
エスター・B・ローズ
エスター・B・ローズ
(1896-1979)
1896年米国フィラデルフィア市生まれ。1921年インディアナ州アーラム・カレッジで理学士取得。1921年から1960年、普連土学園へ奉職の傍ら、戦争中はアメリカン・フレンズ奉仕団(AFSC)の一員としてカリフォルニア州の邦人抑留キャンプで奉仕活動・邦人の待遇改善等に専念した。戦後はAFSC日本支部長としてララ物資を通じて困窮した日本人の生活を援助した。